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1からはじめるRFPの作り方 ~Webサイトリニューアル成功への道~

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RFP(Request for Proposal)とは、Webサイトリニューアルなどの業務委託を行うにあたって、発注先候補に具体的な提案を依頼する文書のこと。要点を押さえたRFPを事前に作成することが、円滑なプロジェクト成功への鍵となります。今回は、RFPの目的や作成のポイントをご紹介します。

RFP作成の目的

最近ではWebサイトに求められる機能も多様化し、複雑になっています。それに伴い、Webサイト構築の際にRFPを作成することも一般的となりました。作成には手間と労力がかかりますが、以下のメリットが挙げられます。

  • 口約束や曖昧な発注による、開発時の混乱を防ぐことができる
  • 必要な条件や希望する要件だけでなく、潜在的な課題や要望を発見できる
  • 提案依頼する際に各ベンダーへの説明の負担を軽減でき、伝え漏れなどを防げる
  • ベンダーを選定する際に、同じ条件で公平に比較することができる
つまり、依頼内容を明確にすることで、希望に沿った提案を得ることが目的なのです。

RFP作成のポイント

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1. 目的、背景、概要

・目的、要求
RFPの中で特に重要。できるだけ明確に記載することで、ブレのない提案が得られます。
・背景、課題
リニューアルへ至る経緯や背景を記載することで、より目的への理解が深まります。
・概要
実施業務、予算規模、スケジュールなどを記載。会社概要やターゲット、サービスなども整理すると理解が深まります。

<POINT>
ベンダーが目的・要求・背景・課題を深く理解する程、提案は最適化されます。事前の社内ヒアリングも重要で、予めコンセンサスを取るとプロジェクトが円滑に進みやすくなります。

2. デザイン、コンテンツなどページ制作の要件

・サイト設計
デザインの方向性やスマホ対応、ユーザービリティなどを記載。
・制作範囲
現状のページ数や想定する新規ページなど全体の規模感を記載。特設サイトなど別ドメインページが対象かも明記します。
・素材の用意、提供方法
取材や撮影、動画やイラスト制作など素材について記載。多言語対応が必要であれば、原稿の準備や翻訳について明確にします。
・コンテンツ
新しく導入したいコンテンツ(動画や機能なども)を記載。
・アクセシビリティ
官公庁や自治体などでは既に導入が義務化され、官公庁などでもJIS規格が一般的。
・その他
サイトマップやパンくずリスト、解析(Googleアナリティクス他)、検索など実装したい機能を記載。

<POINT>
別ドメインページの扱いや素材の準備方法、そしてアクセシビリティは見落としがち。費用に大きく関わる部分であるため、明確にすることで発注後のトラブルを防げます。

3. CMSやシステム開発の要件

・製品条件
パッケージ、オープンソース、導入実績など製品の条件を記載。
・機能要件
必要な機能を記載し、要件が多い場合は別紙で一覧を作成。

<POINT>
内容をできる限り明確にすることが重要です。導入後の運用で思わぬ負荷がかかり、追加改修が必要となるケースも。想定するCMSやシステムの機能一覧を入手し、必要な機能を選択すると効率的です。

4. サーバの要件

・サーバの所在
Webサイトの設置先が自社もしくは外部サーバかを記載。
・サーバの性能
現状もしくは提案を希望するサーバのOSやCPU、メモリといった性能を記載。特に指定が無い場合は、想定アクセス数を伝えます。
・データセンター
災害に対する構造や非常時の電力供給設備など、安全性に関わる要件を記載。

<POINT>
アクセスが多いWebサイトでは特に注意して記載する必要があります。ただし、過度にスペックが高いサーバを要求すると費用がかさむので注意が必要です。

5. セキュリティの要件

・サイバー攻撃への対策
不正アクセスや改ざんなどへの対策要求を記載。
・IPAなどのガイドラインへの準拠
「IPAの安全なウェブサイトの作り方(独立行政法人情報処理推進センター)」などの内容に合わせた構築を要求。
・脆弱性診断
CMSやシステムを導入する場合は、構築段階での脆弱性診断が重要。第3者機関に行ってもらうことで、より信頼性は高まります。

<POINT>
信頼や機会の損失を防ぐためにも、安全なWEBサイトの構築・運用は重要です。既にガイドラインなどがあれば記載しましょう。

6. 保守・サポートの要件

・保守
データのバックアップや監視、新たな脆弱性への対応などの保守要件を記載。
・サポート体制、マニュアル、操作説明の研修会
運用時の相談や非常時の窓口、サポート体制を記載。加えて、CMSやシステムのマニュアル作成、操作方法の研修を提案してもらいます。

<POINT>
Webサイトは作って終わりではなく、継続して運用していくことが必要です。そのために構築時だけではなく、運用時の要件も記載しましょう。

7. 評価表

・誰が評価に参加するか
社長や役員など現場から離れたメンバーが参加するかどうかで作成方法を変える必要あり。
・評価項目のバランス
重要視する項目へ重み付けすることは必要ですが、あまりに尖りすぎた評価はNG。
・正当評価できる項目の作成
デザイン10点、などの大まかな項目ではなく、デザインの印象、見やすさ、使いやすさなど細分化。

<POINT>
評価表を失念しているケースは多く、苦労して作成した依頼項目も正当評価できなければ意味がありません。専門的な内容も多いため、デザイン・コンテンツ提案やプレゼンテーションの印象値などと、技術的な要求事項を分けて評価し、総合点で決めるケースも。

RFP作成における3つの心得

・情報はできるだけ多く、明確に伝える
情報が多いほどベンダーの理解は深まり、より確度の高い提案が得られます。要件を端的に記載するだけではなく、経緯や背景などの補足情報も伝えましょう。
・「だろう運転」はしない
思い込みは後々トラブルに発展します。決まった要件は正確に記載しましょう。
・要件は書きすぎない
かといって過度な記載もNG。必須要件が薄まらないよう、本当に必要かどうかをしっかり検討しましょう。

まとめ

RFPの作成は手間と労力がかかる作業ですが、相応のメリットがあります。そして、Webサイトリニューアルを成功させることは、未来へ向けたビジネスチャンス拡大の第一歩となるでしょう。

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