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担当者が知っておくべきWebアクセシビリティの基本

近年、Webアクセシビリティの概念が変わりつつあります。従来の「高齢者や障がい者がインターネットにアクセスしやすい」という定義にとどまらず、「誰もが使いやすく、多様化する利用環境でも平等にアクセスできる」といった考え方へシフトしています。今回は、Webアクセシビリティの基本についてご紹介します。

Webアクセシビリティとは

アクセシビリティ(Accessibility)の直訳は「利用しやすさ」。これをWebの世界に置き換え、情報やサービスの利用しやすさを表す言葉がWebアクセシビリティです。年齢や身体的条件、利用環境にかかわらず、またどのような状況下でもオンラインで提供される情報にアクセスし、利用できることを意味します。
かつてWebアクセシビリティは、ハンディキャップを持つ人々のためのものだといった認識がありました。しかし今ではモバイルデバイスや回線速度の遅さなどに対応できるようWebサイトの作り方に配慮するなど、マルチデバイス時代の新たなWEBアクセシビリティの確保が求められているのです。

Webアクセシビリティに配慮することで得られるメリット

Webアクセシビリティへの配慮は、より多くのユーザーの利用を可能にします。いつ、どこで、どのような端末からアクセスしても快適に利用できることが利用者の満足度を高め、自治体や企業イメージの向上にもつながります。さらに、Webアクセシビリティが高まることでサイトの品質向上にもつながり、SEO効果も期待できます。

Webアクセシビリティの一例

ではWebアクセシビリティを高める取り組みの一例をご紹介します。

●文字
・視覚障がいを持つ方も見やすいよう、文字の色やコントラストに配慮する
・ユーザーが文字サイズを可変できる拡大・縮小機能を実装する
・文字化けが起きないよう、機種依存文字を使用しない

●画像、動画
・音声読み上げブラウザに対応するため、画像の内容を明記した代替テキスト(alt属性)を付加する
・動画には字幕をつける

●ページ構造
・各ページには書かれている内容の分かるタイトルを設置する
・タイトルや見出しなど、HTMLの構造を正しくマークアップする
・Webサイトの階層が分かるようパンくずリストを作る

●操作
・キーボードだけでも利用できるようにする

●リンク
・外部サイトへのリンクは別ウインドウで開くようにする
・リンクテキストはリンク先の内容が分かるような文面にする

Webアクセシビリティに関する主な規格

Webアクセシビリティの品質確保を目指すうえで、指標となるのが次の規格です。

●国際基準:WCAG2.1
WCAG(正式名称:Web Content Accessibility Guidelines)は、Webの世界標準化を目指すW3Cにより2021年6月に勧告。Webコンテンツのアクセシビリティを向上するための「達成基準」を列挙したもので、事実上の国際基準とされています。

●国際規格:「ISO/IEC 40500:2012」
2012年、WCAG2.0がそのまま国際標準規格であるISO/IEC 40500:2012となりました。

●日本工業規格:JIS X 8341-3:2016
日本工業標準調査会(JISC)が制定した標準規格であるJIS X 8341の個別規格として2004年に公示されたのがJIS X 8341-3(正式名称:高齢者・障害者等配慮設計指針−情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス―第3部:ウェブコンテンツ)です。2016年に改訂され、現在はJIS X 8341-3:2016と表記されます。なお規格番号の8341は「やさしい」にちなんだ数字です。

W3Cのガイドラインと国際標準規格(WCAG2.0)、国内のJIS規格(JIS X 8341-3:2016)、国際規格(ISO/IEC 40500:2012)は、いずれも同じ内容です。

まとめ

2021年に改正された障害者差別解消法においても、民間事業者のWebアクセシビリティ対応が義務化されました。世界的なトレンドや超高齢化を迎えた日本社会への適応という観点からも、すべての利用者にとって使いやすいWebサイトの実現は急務といえるでしょう。自治体や公共団体はもちろん、民間企業のWeb担当者もぜひ知っておくようにしましょう。


※2022年5月現在の情報です。情報ご参照の際は 最新の情報をご確認いただくようお願いいたします。

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